なぜ私たちが反対の声を上げているのか
神宮外苑は、100年以上前に都民が作り上げた場所
神宮外苑は、明治天皇とその皇后、昭憲皇太后のご遺徳を永く後世に伝えるために、全国および海外からの献金と献木、そして10万人以上の青年団による勤労奉仕により大正15年に作られました。
神宮外苑は、約100年前を生きた人々の想いが込められた場所です。
そしてそんなこの場所を、近隣住民と都民はそのままの形で愛しています。
そんな場所で、今ある樹木を無くして、十年以上かけて一から高層ビルを建て直す必要はあるのでしょうか?
今何よりも求められているのは自然保護
・進む気温上昇
地球温暖化が深刻化し、早急な地球温暖化対策が求められているこの21世期、世界中では「いかに現存する自然を保護するか」ということが当たり前になっています。
特に東京では、ヒートアイランド現象による気温上昇が激しく進んでおり、17年までの100年の間に東京の気温は3.2度も上昇しています。ヒートアイランド現象による気温上昇を止めるために樹木はとても有効です。これ以上樹木を伐採して高層ビルを建設すれば、樹木の木陰はなくなり東京の気温はもっと上昇してしまいます。
・植樹や移植?無駄なんです。
東京都や企業は、「伐採もするが植樹も行う、今までよりも緑の面積を増やす」と言っています。しかし、「緑の面積」とは、芝生や植木などが含まれています。よって、一見緑の面積が増えたように感じられても、緑の体積は大幅に減少するので、今のように樹木が生茂る景色は失われてしまうのです。
移植をすることも、約100年もの間根を伸ばしてきた樹木にとってはとても大きな負担となります。
神宮外苑は重要な避難場所でもある
神宮外苑は、広域避難所に指定されています。しかし、現在の再開発計画のまま工事が進めば、180mを超える超高層ビルが2棟も建設され、神宮外苑の防災機能は減じることになります。 一般社団法人日本イコモス国内委員会の提言にも、「高層ビルと新設される神宮球場の間の通路は極めて狭く、しかも立体構造となっており、地震等の発生時には極めて危険性の高い形態となっています」とあります。